総合型選抜という言葉をよく耳にするようになりました。しかし、その内容や総合型選抜の狙いはあまり理解されていない感じを受けます。先日、某大学の大学入試センター長と話をする機会がありました。そこで、大学の「総合型選抜」の狙いを聞いてきました。
8月には、某雑誌に対談記事として掲載される予定ですが、先にここで、簡単にお話していこうと思います。(ご興味のある保護者の方は、ご連絡頂ければ、出版社からの頂いた原稿のPDFをお渡しします。)
厳しい話ですが、総合型選抜は、「難しい」「面倒くさい?」テストです。以前のように小論文をちゃちゃっと書いて合格というのは、一定レベルの大学においては、もはや存在しません。総合型選抜対応の塾もネットなどで最近はよく見かけますが、どこまで対応できているのだろう?と思ってしまいます。
一方、学校推薦型というのは(かなり暴論ですが)共テの点数で、ほぼ合格が決まります。そのため国立大の二次試験の指導に自信の無い学校は、これを薦めています。しかし合格したら必ず行かなくてはならないため、上の大学を狙いたい生徒は、考えどころです。実態としては、中堅どころの大学に出す生徒が多いようです。
今回は、学校推薦型ではなく総合型選抜(公募型)についてお話します。
一言で言えば「オタク」を見つけるテストです。例えば、物理科であれば、国語など出来なくてもいい、ただし物理は、「大学の一般教養レベル」までは、分かっているか?という感じです。例えば東大のように願書の提出条件として〇〇国際オリンピック入賞者などとハッキリ書いてある大学もあります。
東大はともかく、その他の大学においては、この基準が見え難いため、生徒も、自分の実力で願書を出せるかどうか迷う、というのが正直なところでしょう。入試ですので、何を持ってテストするか?ということは、記載されていますが、とにかく何かに秀でた生徒たちで競い合うわけですから、偏差値などと異なり、他の競争相手がどのくらいのものなのか分からないため、判断は、なかなか難しい。しかも定員も思ったほどではなかったりします。(ちなみに地方国立は、総合型と学校推薦型の両方を持っていたりします。また有名私立と比べても合格しやすい傾向があるように感じます。)
さて、合格は、一言で「大学での授業を受ける「準備」が出来ている者」という言い方をされました。
ちょっと解釈を考えるところですが、例えば一般入試で合格した生徒は、大学の授業についていく「基礎的な知識と能力がある」者として認定されます。(実際に大学の授業についていけるかは別。)そう考えると大学での授業を受ける準備が出来ている者とは、(特定の授業だと思われますが)大学の授業についていけるだけの知識、能力があるということになります。
ちょっと面倒な言い方でしたが、早い話、一般入試は、ウチの大学についてくるだけの能力があることを認定するのに対して、総合型選抜は、この授業は出来る(分かる)という感じかと思います。その分野に関しては、大学レベルの内容が分かっているかどうかです。
しかし、そのような生徒を指導する学校は、かなり大変です。大学の先生たちが来てくれるSGHとかSSHとか、高校魅力化プロジェクトに入った学校とか、大学院で研究をしたことのある教員がいる高校なら対応可能かと思いますが、そうでなければ、なかなか太刀打ちできません。
以前、筑波大学への合格者数No1?というエリート高の先生とお話させて頂いたことがあります。そこからは、東大にも数名合格するのですが、総合型選抜で東大に合格した生徒は、どのようなことをしたか?と聞くと、筑波大の先生がきちんと見ているようで(しかも医学部)心電図から何から持ち込んで、かなり本格的な実験もしていました。ここまでくると近くに、それなりの大学でもないと厳しいのでは?と思ってしまいます。地方からでも、能力の高い生徒であれば、〇〇国際オリンピックなどに出るということも出来るでしょうが、その生徒への指導となると、普通の教員からすれば、そのシンドさは、一般受験の比ではないでしょう。
本人、指導者共に負担を考えると、まずは、共通テストを前提として学校推薦型を考えるというのは、普通の選択だろうと思われます。
また最近流行りのグローバルがありますが、これは別枠での戦いになるようです。今回は、ここでは特に触れませんが、とにかく総合型選抜において、勉強がイヤだから総合型という選択は、ありえないと。特に、一定レベルの大学を狙う生徒には、あまりお薦めしないということです。ただし、何か科目に強い関心、興味があり、高校生レベルを超えて深く研究、学習している分野を持っているのであれば、挑戦する価値はあるでしょう。
「論文」と「面接」だけで切り抜けられる時代は終わりつつあります。志望理由書にしても、さすがに都市部では、もう「大学のWebを見て、アドミッションポリシーに即した内容を・・」などというふざけた指導はしていないようですが、このようなレベルの認識で、まだいるのであれば改めるべきです。
総合型選抜は入試というより就活に近いともいわれます。それなりの大学での総合型選抜の論文を知りたいなら筑波大のサイトへのアクセスをお薦めします。まるで大学院入試における研究計画書に近いものがあります。
もちろん、それでも総合型選抜にチャレンジしたいという方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、まずは、環境を整えることです。
・何をするか?
・どこでするか?
・どうやってする?
・なぜするか?
ということも大切ですが、一番大事なことは、誰とするか?(誰に指導教官代わりになってもらうか?)ということです。
ここが決まれば、後は意外とスムーズにいくことが多いようです。
塾生で総合型を考えている人は少ないと思いますが、何かあればご連絡ください。








