先日の話で、今後の大学の選び方や、社会がどう変化していくのか?という話題も出ました。
アメリカの社会学者であるトロウ先生の区分によると、日本は、ユニバーサル型(多くが大学に進学する)になります。

簡単に言えば、エリート型(約15%が大学進学。中国など)⇒マス型(50%程度。)最後にユニバーサル型。(アメリカと日本のみ)と分けています。

私も、今後の社会の動きを推測するにおいて、人口減となる日本では、隙間が出来るわけですので、東京一極集中は避けられない。
嫌ないい方をすると、東京とそれ以外になりかねない。

また今の税制や、行政の仕組みをみても、最終的には「中央」とのパイプがなければ経済も成立しない。

日本の大学が、グローバル型とローカル型に分かれたが、結局、これが偏差値を決定し、最終的には、ローカル型(地域の経済・行政・政治を担当)を出た生徒だけでは、地域運営が難しくなるため、結果として中央から役人が多く、地方行政に来る形になる。

そんな話をしました。現実、県レベルにも、今では多くの官僚が来ていますし、市町村レベルにも来ています。
その理由は、ここでは書きませんが、私どもが出来るのは、地方の現状を肌感覚で知っている子供たちの中から、地域と中央とのパイプ役になれる生徒を育てることくらいです。

実際は、優秀な多くの生徒は、帰ってこないでしょうが・・

そんな中、東京からいらっしゃたある先生が細かいデータを出されていました。

実はユニバーサル型になると、今度は大学のランキングがシビアにみられる社会になるそうで、大学の上位15%(超トップは7%)に入らないと意味をなさなくなるというのです。

多くの地方国立が、医者・教師などの資格系を中心とするのに対し、エリート15%は、基礎学力や教養を重視することになります。

昨年は、専門学校を含め、約62万人が進学しましたが、各大学の入学者数を計算すると、

旧帝大、東工大、一橋、筑波
早慶上理、G-MARCH

で15%になるそうです。またTHEの上位20大学を取ると約7%。つまり、これで決定するというわけです。
個人的には関関同立も入ると考えていますが、その先生が言うには、2030年には、東京1極集中は避けられないとのこと。

ただ共通して言えることは、大学の「役割」を考えての進学をさせないと意味がないということです。

2020年に大学入試が変わり、2024年には全面的に変更になります。

私が恐れているのは、既に英語がそうですが「知識」でなく「技能」に位置づけられたことで、もう体験型のサービスの多い首都圏とサービスのない地方では、差が大きくついてしまっているということ。
知識は、本があればどうにかなります。紙と鉛筆があればできます。授業も黒板と先生があればいい。
つまり公務員試験のようなもの・・。これは地方でOKでしょ?と言われているに過ぎないわけです。(フィールドワークも含め)

一方、体験型、技能型は、教師のレベルも必要ですし、お金もかかる、設備・施設も必要。これは、一部に集中して投下するということに他なりません。

現実、eポートフォリオでは、一番高い項目が「探究」です。その次に体験。私どもが進める留学も項目になりました。

しかし「体験」「技能」をどこまでやるか?特に地方で何が出来るか?ということは、本当に悩ましい・・。

もちろん、どうにか地方からも優秀な人材を輩出することが仕事ですので(一言で言うと子供を勝たせることが仕事ですので)新しいサービスを考えてはいます。早ければ4月に、新高3生からスタートする予定です。(塾生の保護者の方には、文書が出ます。)

ただこの「体験」・・

子供たちが「したい」体験と、大人である文科省などが「してもらいたい」体験 は微妙にずれているのも気になりますが・・・