文科省から、私立大学の入学定員管理案について、3年間見送りとの結果がでました。
https://www.asahi.com/articles/ASL9M4JLPL9MUTIL02M.html?ref=newspicks
(上記参考URL 朝日新聞デジタル)

関東・関西の都市部の高校、学習塾は、ちょっと安心というところでしょうか?

この2,3年は、本当に私立が厳しくなってきました。

〇早稲田に落ちて、京大に合格
〇近畿大に落ちて、大阪市立に合格

このような例は、本当に多くなりました。関西で学習塾を経営している京都大卒のある塾長は、

「京大も、今や、ローカル大学になりましたよ。」と嘆いていました。


実際、関東地方から京大に来る生徒は、激減しています。東大がダメなら、京大・・ではなく、
早慶というのが当たり前。

東京の生徒だと、東北大、名大は、早慶の滑り止めです。

関西の私立大も、ここ数年激変しており、「文系なら、今では阪大より同志社の方が上」と言われています。
正直、分からんでもないなぁ~というのが実感です。

私立が伸びた理由は、「生徒を伸ばすから」です。国立大の没落は、成績の良い生徒を取ることしか考えてなかった(教育力が低いから)です。ただし、国立大でも、きちんと「勉強させる」大学は、就職も企業評価も高い。
(九州工大、名古屋工大、東工大、電通大など)

また私立は、お金の配分がうまく出来ています。指定校推薦者は、基本、奨学金をもらえませんが、
一般二次試験合格者で、かつ成績上位者には、厚い奨学金を用意しています。

ある塾で、関西の私立大学を調べたそうですが、二次試験での成績優秀者への手厚さは、国立の比ではなく、もう(国立大では)絶対に勝てないという結果がでたようです。

東京理科大は、東大の植民地?で、基本、大学院に行くことを目指す大学ですが、ここは準国立の様相で、二次試験合格で、成績優秀者には、一律40万円の奨学金を配ります。入学金は、国立とほぼ同額(30万円)ですので、授業料が(理系なのに)100万円ということで、結果(二次の奨学金があれば)60万円が実質の授業料となり、国立大と授業料も入学金も同額になるように計算されています。

この数年は、都市部の私立大は、本当に厳しくなっています。
その弊害が、浪人生の増加、A判定での不合格者の増加などです。

いまどき、ベネッセ(←ここの判定データは、おかしいことが多い。)や河合塾(平均すると、まだ安定感はある。)の判定を鵜呑みにする先生は、いませんが、生徒と保護者はそれで一喜一憂してしまいます。


今年の私立のようにA判定で3割の人が落ちるとなると、そもそも、その予備校の判定がおかしいわけですが、彼らも商売でやってるだけで、絶対的なものではありません。

国立大の多くは、地方ローカル大学ですので、あまり狂う事はないですが、(受験する人が、その地域の生徒になることが多い。)私立大は、全国から生徒が来ますので、大きな流れを見た上で、考えておく必要があります。

実は、今回の文科省の延期措置は、有名私立大学がうまく偏差値・人気・実力とも引きあがってきたということがあります。
関東で言えば、早慶上理、MARCH以上、関西だと関関同立(今は、同立関関ですが)が一定レベルまで来たということでしょう。

実際、あとで大規模大で補欠合格を出したのは、MARCHが少しと、その「下」のランクの大学です。

地方の私立の大学の入学者は、場所によっては増えたり、多少難化しましたが、大きな変化はありませんでした。

(2019年2月現在の状況だと、各地方でも資格系の私立大は軒並み、難化している模様。滑り止めのランクが、かなり下位の大学にまで及んでいる傾向も。)

しかもその後、一条校問題が控えています。(専門学校が専門職大学へと引きあがる問題です。)

地方国立大は、地方公務員を作ることが目的となっていきますが、そうすると、今まで公務員試験等の対策に長けた専門学校(一条校)に負ける可能性もあります。

最終的に大学進学は手段であって目的ではありません。しかし何を選択すれば最短で自分のやりたい事が出来るか?と考えると、国立大なら旧帝大(それ以外で強いて言えば、東京一工、筑波、横国、名古屋工大、電通大、東京農工、すこし西に行くと神戸、最悪、広島)私立なら、早慶上理、MARCH、関関同立くらいのレベルを考えておく必要にかられるでしょう。

秋頃に、大学生が大学を辞めることがありますが、その1番の理由は、「入った大学がカスだったと気付いたから」というものです。(受け直すことが多い。)

次が、お金の問題。私立は、やはり高いのと、二次試験で入った生徒と指定校推薦で入った生徒を「明確に」分けて考えているので、フルに費用のかかる生徒の保護者は大変です。(ただし、多くの私立は、大学2年生からは、大学の成績のみで、もう一度、見直してくれますので、入学後、しっかり勉強すれば、大丈夫です。ただしデータ上、指定校推薦と二次合格者では、偏差値が平均10違うらしいので、受験勉強以上に、大学で勉強する必要があります。)

また大学合格だけを考えると、二次試験受験もその1方法ですが、AOや学校推薦、センター推薦なども受験方法として考えておくことが大切です。

地方の公立高校からの難関大の合格は、今では、AOやセンター利用でないと難しくなっています。
しかし大学に入ってからも、今は大変です。

大学の序列と、大学内の序列(GPA)のWフィルターがかかります。良い大学でもGPAが低いと就職も、あまりよくないのは当たり前です。学校の先生が、「その大学行くのはいいが、ついていけるのか?!」と聞くのは、100%正しいわけです。GPAが低いと意味がありませんので。
(特に理系は大学院への進学が当たり前なので、学部の大学を選ぶ際には細心の注意が必要。)

もはや国立大は、私立大の滑り止めになっている状況です。(旧帝大、医学部を除く)
そして大学を選ぶにも、盲目的に国立大を中心に考えるのではなく、先を考えた大学選びをして欲しいものです。