AllAboutから以下のような記事が飛んできました。
毎年この時期になるとこのような記事が出てきます。

早い話、何を持って合格実績というのか?ということですが、裏を返せば塾に取って合格実績は命綱でもあるってことです。

開進スクールのような地域密着型の塾ですと、「誰々が開進に行っている」と

皆が知っているので、このような問題は起こりませんが、チェーン店や大手などには、
毎年この手の問題は、出てきます。

以下がAllAboutの記事。
https://www.excite.co.jp/news/article/Allabout_26952/

合格実績についてですが、この記事では合格数よりも合格率と言いたいのでしょうが、
現実には「何をもって合格者数として数えるの?」という方が議論すべき問題です。

都市部だと複数の塾に行くのは当たり前です。
もっと言えば、1つの塾で難関校の合格は厳しいとも言えます。

2つ以上の塾に通った生徒が合格した場合、当然、Wカウントになるわけです。

数年前、大阪で勃発した某塾同士の戦いは、Wカウントになりえない状況でした。
裁判まで行ったのですが、それほど合格者数にこだわるのであれば、各学校で入学者に「どの塾に行っていたか?アンケートを取ってもらえれば一番早い」と思ったのを覚えてます。
実際、私立高校は、中学時代の塾を把握しているはずです。

ただ合格者といっても、「ご自分のお子様ではない」ので、塾選びの1つの目安にはなっても、
お子様に合うかどうかは、実際に確かめた方が良いとは思いますが・・。

今どきチラシやTVCMなどで選ぶご家庭は少なくなりましたが、
それでも、合格実績でら選びたいというのであれば、

「この校舎からの合格実績を教えて下さい。」

と聞けば、大体教えてくれるはずですし、それが一番正しい合格実績です。
たまに全校舎合計の数を出していたりしますが、それでも校舎に行って聞けば正直に教えてくれます。
全体の数字がよくても、近くの校舎が良いとは限りませんし、逆にお子様が通う校舎だけでも実績が
あれば十分ではないでしょうか?

次に個別指導という言葉です。これは今でも問題になっています。

「個別指導=1対1の指導」という風に、お客さんが勘違いすることを前提に表記しているとしか思えない塾もあります。

そもそも1対2の個別と書くと「??」となりませんか?
それって個別って言うの?というのが正直な感想でしょう。

これは塾が時代と共に「言葉の意味を変えていった」という歴史があります。
そもそも個別=1対1でしたが、しばらくすると「個人別」の略という風になりました。

今の時代、個別指導と表記していても「指導人数には関係ありません。」
生徒30名でもバラバラのことをしていれば、個別です。

(※最近は、1対1の個別とか、1対2の個別とか、集団個別とハッキリ人数を言う所が増えてはいます。)

これも最初に教室で聞けば大丈夫でしょう。もし1対2とか1対4とかの少ない人数で話をして、
実際は、1対7とか10名以上になっていると契約違反となる可能性がありますので、それは、
塾長、もしくは本部に言えば大丈夫だと思われます。

ただしTVCMをしている某塾は、エリア、教室によって指導人数が異なります。
大学生のいない地方だとバイトの講師1名(大体地元の主婦の方が多い)で約6~8名くらいでしょうか。

とにかく個別と言っても「生徒一人だけを見ているわけではない」ということです。
(そもそも学年も学力もバラバラの生徒を講師1名で見れるのは、プロでも限界があります・・)

次のプロ講師の表記の問題は、こちらでは見かけませんが、都市部では多いです。
バイト学生に、

〇学生と言わないこと。
〇下の名前を教えないこと。(近くの大学で検索されると困るから)
〇形だけの社員証を渡す

などをやってごまかしている所は本当、たくさんあります。

それでも会社として社会保険料、労働保険などもしっかりしていれば良しですが、
また社員の当然の権利として会社に物が言えればいいですが、そうはなりません。
何か言えば、「お前はバイトだろ?!」ということで切られるわけです。

表向きバイトが社員を演じることがブラックバイトの温床にもなっています。

次の自習室問題は、この近辺では問題ないでしょう。
そもそも人口減で生徒数が少ないので・・。


開進は、「自習室に塾の機能を加えている形」ですので、定員=机の数となります。
そのため当然、全員座れます。(塾生で席がないとなると詐欺になりますので。)

そもそも毎日来る塾ですので、そうなるわけですが、教室の回転率は下がります。
儲かっている塾(大先輩の塾とかそうですが)は、1日3回転しています。
(※これは、かなりのものです。おごってもらいたいくらいです。)

ただし自習室問題は、ウチのように指導のメインと考えるか、単なるサービスと考えるかで、
変わります。今では、学校に自習室もありますので、自習室だけが欲しい場合は、塾に行かない
でしょう。なかなか一概に言えないところではあります。

塾の授業料に関しては、現在はきちんと説明しなければ違反となりますので、
最近は、問題ないと思います。(開進の場合は、年度始めにレターも出します。)

ただし都市部では、「教室維持費」というのが月々、結構かかったりします。
あとは、テストや模試を増やして売上を上げるパターンです。
テストは月謝の6分の1くらいの売上を
1日で上げるので大手塾などはテストが多い傾向があります。
(生徒にどのくらい意味があるかは分かりませんが・・)

テストが月謝に入っていない「オプション」であれば、今は、受けなくても文句は言われないはずです。
(逆にテストを受ける意味を塾側が説明する責任があります。)
個人的には、中学生は、夏と春は全学年。そして中3生は、受験前の2回くらいが適正ですね。
学校でも今は模試をやってますので。高校生は、学校の模試でヒーヒー言ってますので塾の模試は受けていないと思われます。

塾の指導力に関しては、生徒・保護者がどう思うかということなので一概には言えません。
一般的に個人塾は、塾長先生の指導力で集めていますので問題ないと思います。
全国的に見ても地域を狭まれば、かなり強い個人塾は結構あります。
これなどは、まさに指導力で集めていると言えます。

一方、チェーン店や大手の場合は、バラつきが多くなります。仕方ない部分もありますが・・

ただし仕事柄、東京の大手などにも行きますが、本当にスゴイ先生はいらしゃいます。
先生が独立するとなると、本体の塾は大丈夫か?と思うくらいの実力派の先生達が結構いるのです。
(一部の方はご存じでしょうが、様々な塾のお手伝いをしていますが、大手塾から実際、独立し、
しかも前職に遠慮して以前の職場からかなり離れたところに塾を出しても、力があるので、
1年で100名弱くらい集めている先生もいます。本当にお客さんは、講師の実力をしっかり見ています。)

なので、ブラックな指導力と言う件ですが、これに関しては、塾名や大手、個人、バイト、社員ということは、
ちょっと横に置いて講師を一人の指導者として見た際、どうか?というで判断すれば間違いないと思います。

とにかくお客さん(保護者の方)は、しっかり見ているものです

これも都市部の話ですが、大体において潰れる塾、合併される塾というのは、経営者の問題よりも現場に問題がある方が多い気がします。戦っている現場が負けたので潰れる、撤退するわけです。
他業種と異なり、塾の場合、経営者の問題は、よほど散財でもしない限り、ありません。当たり前ですが、従業員やスタッフが優秀なところは勢いがありますし、生徒もそれに呼応して伸びます。(質も数も)
一方、潰れる、合併される、撤退するということが多くなると、現場に問題があるということが多いようです。(遠因は経営側にあるのかも知れませんし、戦略的な撤退もあるので一概にどうとは言えないかも知れませんが・・)

ともかく、まだまだ塾という仕事は説明が必要です。
今では、それなりの社会的な地位を得ていますが、そもそも我が子を塾の先生にしたいと思う保護者の方は少ないはずです。1つ1つ丁寧に発信していくことで業界としても、しっかりしていくことを願っております。